2006年02月26日

【感想】ジャーヘッド

先日友人と映画を観てきました。作品はこの前のエントリーで書いた『ジャーヘッド』です。



以下は観た感想ですが、読みたい方だけどうぞ(注:反転処理)

【感想】
この作品は戦争で一発も撃たずに帰還した一海兵隊員の手記を映画化したものですが、その彼の目線を借りて見事に表現された「新しい戦争映画」であると思います。戦争に対するある種の皮肉を感じさせる

イラクのクウェート侵攻によりサウジへと降り立つ主人公。しかしその”戦地”では、厳しい訓練、水分補給、また訓練、水分補給、仲間たちとのバカ騒ぎ、遠く離れた恋人を思いマスターベーション、という日々を過ごす。
というシーンや、

いよいよ実戦の時。見えない敵からの迫撃砲弾。味方の攻撃機からの誤爆。累々と続く死体。否応なしに戦争の現実が衝きつけられるものの、彼らはひたすら砂漠を歩き続け、敵を待ち続ける。しかし「敵」と呼ばれる存在はただ一場面、クライマックスシーンにおいてスコープに映るのみ。
という”誰も殺さない戦争”。そして最後には、

「自分は何のために戦うのか?」「誰と戦っているのか?」という漠然とした思いと、「敵を殺したい」欲求やそのエネルギーが発散されないまま戦争は終結し、主人公は”心を砂漠に残してくる”。
ことに表されており、湾岸戦争を体験した一海兵隊員の虚無感を感じることは出来たのではないかと思います。(除隊してからの主人公の目や、最後の窓の風景と砂漠との対比)確かに面白いことは面白いですよ、えぇ。


それにしても砂漠が現実と非現実との境界の曖昧さを醸し出しているようで、コンピュータゲームのような戦争となった(あくまで米政府・軍に操作されたメディアを通してですが)現代戦、特に湾岸戦争のもつ不可解さにも繋がっているような気がします。

またこの作品はとにかくスクリーンに映し出される映像が非常に美しいです。陽炎に揺らめく白い砂漠。天を焦がす油田火災と漆黒の空。”それ”は戦争と主人公の精神状態との関わり合いを見事に表していると思います。

(サイクス三等曹長の、「海兵隊以外でこんな景色を見ることが出来るか?」という台詞がまさに当て嵌まる映像美です)
posted by マトラボ at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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